遠慮を感じさせない美しさ

もし、数名でタクシーに乗車するとして。
目上や目下など気を使わない友人同士だとしたら。
あなたは、どのようにふるまうでしょうか?

まずは念のため、タクシーの席次は皆様既にご存じだと思いますが、復習です。
後部座席の右側が一番の上座、その左側が次なるお席。
もしも後部座に3人で座るなら、真ん中は座りづらいので右・左の席より格下。
そして運転手のお隣、助手席が一番の下座です。

先日、仕事の途中に、素敵な女性達のタクシー乗車の様子に遭遇しました。
3人組の女性達のお一人が、速やかに助手席のドアを開けながら
「さぁ、行きましょう!」
と笑顔で声を掛けて乗り込みました。
「あら!私達、後ろでいいの?ありがとう。」
と後部座席を譲られたお二人も乗車。
たまたま、すぐ近くで信号待ちをしていた私。
一部始終を見つめて、何てスマート!と感じたのです。

「どうぞお先に」
「いいえ、私が前に。」
このように、お互い遠慮しながら譲り合うことが想定されそうなシーンです。
そこを速やかにタクシー前方に歩み寄り、ご自身が助手席に座るように自然と流れを作られた。
お二人に気を使わせない、この自然なふるまい。
謙虚さと思い遣りの深さも感じられて、なんだかとても美しい。
後部座席を譲った方は、雰囲気からも遠慮深く慎ましやかな感じの女性でした。

時折遭遇する過度な遠慮の押し付け合いは、傍からしてみれば「早くして」となることも。
譲り合ってなかなか決着がつかず、受け入れるにも何か「負け」を感じたり。
でも、今回の女性のようなふるまいは、どなたの心にも負担がありません。
遠慮の奥に相手への心遣いがあるふるまいは、押しつけもなく、さりげなくて素敵です。
きっと様々な経験を積み重ねられ、咄嗟にこのようなふるまいができるのでしょうね。
それに、譲られたお二人も「ありがとう」とご好意を受け取るのがスマートで素敵。
お互いの心をこのようにキャッチボールできることは、円滑なコミュニケーション。

ふるまいには、その方の生き方が現れるものなのでしょう。
なんだか、いいストーリーを見せていただいた気がしております。

お写真は、公園で見つけた紫陽花。
まだまだ美しかった♡
そろそろ、向日葵さんにバトンタッチ、でしょうか。

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