心のフィルター☆
田園調布に「レピドール」という洋菓子屋があります。
その2階はティールームになっていて、とても落ち着く穏やかな雰囲気なので時折訪れています。
ある知人から、藤田嗣治氏に師事した画家の岡鹿之助氏がお住まいだった跡地が、レピドールに生まれ変わったと伺いました。
岡先生はパリで長年過ごされ、腕を磨かれた方だったとか。
この岡先生が田園調布のご自宅で過ごされていたある冬の朝、窓から駅前を眺めると眼下は雪が積もり真っ白な世界。
そこに色とりどりのパンジーが咲いていて、あまりの可愛らしさに絵を描こうと眼鏡をかけて良く見ると…。
パンジーに見えたのは、子供達の赤や黄色の傘だったそうなんです。
でも、そのまま傘をパンジーに見立てて描いたというエピソード。
ロマンティックな心のフィルターで、子供達の傘がパンジーに見えたですから、岡先生の心の美しさを物語っていますね。
そこに無いものを描くと言う「型破り」をしていますが、基本があってこそ可愛らしいパンジーを描けたのでしょう。
しかし、心の状態によって、見える世界も大きく変わるものですね。
同じものを見たり聞いたりしても、100人いれば100通りの見方、とらえ方があります。
岡先生のようなホスピタリティー溢れる心、憧れます。
この日は名物の「ルーローモカ」とハーブティーを頼みました。
私は、窓際のお席が大のお気に入りです。
ここから外を眺めて、時折たそがれております…。
窓際にパンジーの花が飾られていて、岡先生のエピソードを思い出しました。