外国人から気づかされた日本の文化・習慣への誇り

先日、上野・不忍池の畔に佇むお気に入りの和食処「韻松亭(いんしょうてい)」さんを訪れました。
歴史ある日本家屋で、上野の杜に自然と溶け込むような美しい佇まい。
これまでにも幾度となく、友人や大切な方との時間を過ごす場として利用させていただいてきました。
ランチタイムは毎回予約必須の人気ぶり。
1か月以上前に予約しても、12時台・13時台はすでに埋まっているほど。
最近は特に外国人観光客の来店が多いそうで、店内でもさまざまな言語が飛び交っていました。
この日、玄関で靴を脱いで上がるときのこと。
前にいたのは、ブロンズヘアの外国人カップル。
女性は、タンクトップに短パン、裸足にサンダルというラフな装いでした。
ところが――
その女性が玄関でサンダルを脱ぐと、バッグの中から白い靴下を取り出して。
何の迷いもなくスッと履いたのです。
私はその所作に驚き、思わず小さく拍手をしてしまいました。
彼女は目が合うとニコッと笑い、少し先で待っていた男性と店内へ。
それは、ほんの一瞬の出来事でしたが、強く心に残りました。
きっと彼女は、日本の文化や習慣への敬意をもって、ここを訪れてくれたのでしょう。
清浄の意味を持つ「白」を靴下に選び、玄関という場でそっと履く――
その姿は、ある意味で日本人以上に“日本人らしく”、美しく感じられました。
日本に生まれ、日本の文化に育まれてきた私たち。
けれど、慣れ親しんでいるからこそ、気づかぬうちに流してしまう習慣や所作もあるかもしれません。
時代が変わっても、暮らしの中でほんの少し心がけるだけで受け継いでいける日本の文化や習慣は、数多くあります。
それを見つめ直し、次の世代へと手渡していくこと。
それこそが「日本を大切に暮らす」ということなのだと、気づかされたひとときでした。
さて、韻松亭さんでのランチでは、私は決まって花籠膳をいただきます。
籠の中には、豆腐・お麩・おからなどの豆料理を中心に、彩り豊かな小鉢がぎゅっと詰まっています。

一口大に施された丁寧なお料理は、優しい味わい。
豆ごはんとお味噌汁はおかわり自由という嬉しい心配りもあり、つい何度もリピートしてしまいます。
実は、韻松亭さんには甘味処も併設されています。
15時から17時までの限られた時間にのみ営業される人気店で、開店前にはいつも行列が。
今回、14時からのランチ予約だったので、食後にそのままのお席でいただけないでしょうか?
とお店の方に相談してみました。
すると、快くご対応くださり、念願のクリームあんみつをいただくことができました。
やったー!!

この嬉しそうな顔ったら(笑)
抹茶アイスがたっぷりのり、なんと生麩が3種類も入った贅沢な一品。
黒蜜をたっぷりかけながら、夢中になって味わいました。

ご一緒した素敵な女性が嬉しそうに黒蜜を注ぐ姿も印象的で、こちらまで幸せな気持ちに。
長年多くの方々を迎え入れてきた場所には、目には見えない“想いの層”があるように感じます。
楽しさや喜び、感動が幾重にも積み重ねられてきた空間に身を置くことで、新たな感動を受け取ることができるのかもしれません。
そして、その感謝の気持ちをきちんと言葉や所作で表すこと。
そんな「ありがとうございます」の心を、これからも丁寧に届けていきたいと思いました。