正されるのではなく、整っていく時間

「正されたのではなく、整った感じがします。」
先日、個別マナーセッションの時間をご一緒させていただきました。
セッションの最後に、ご本人の口から静かにこぼれた言葉です。
事前にお送りいただいたヒアリングシートには、
その方が大切にしてこられたことや、
これまでの歩みが丁寧に綴られていました。
その中に、ひとつだけ気になる言葉がありましたが、
まずは、すでにお持ちの魅力をゆっくりと言葉にしていく時間から。
お話を伺いながら、言葉をすくい上げ、整えていく。
その繰り返しの中で、ふと、ご自身の内側から現れた言葉がありました。
そこから、少しだけ深く。
けれど、押し進めるのではなく、
ご自身の中で言葉が重なっていくのを待つように。
整う、というのは、何かを足すことでも、正すことでもなく
もともとあるものの輪郭が、静かに立ち上がってくることなのかもしれません。
言葉もまた同じで、いつも美しく整えることが大切なのではなく、
その場やお相手に合わせて自然に選び取り、表現できる喜びを。
そのために、自分の中にさまざまな言葉を携えておく。
今回の時間は、そのような感覚を共有するひとときでもありました。
だからこそ最後に、
「正されたのではなく、整った感じがします」
という言葉をいただけたのだと思います。
マナーとは、まず自分をどう扱うか。
そして、お相手をどのように尊ぶか。
だからこそ、自分自身を内観すること。
そのような自分への思い遣りは、
全てへの布石でもあるのだと思います。
少し立ち止まって、自分の言葉や所作を見つめたいとき。
そっと流れをやわらかく整える、一助となれば嬉しく思います。