白寿祝いでの再会
御年99歳。
この肌艶といい、佇まいといい、なんともダンディーなお姿は驚愕でした。
私が20代の頃から大好きで、大尊敬している牧内節男さんです。
元毎日新聞の社会部長として、あのロッキード事件を暴き、多くのスクープを指揮した敏腕記者。
その後、スポーツニッポン新聞の社長・会長時代には「女性が読まない新聞は滅びる」というスローガンのもと、女性が読みやすいスポーツ新聞づくりを推進。
スポーツ新聞発行部数日本一へと導かれました。
今回、白寿祝いで集われるお席に、光栄にも私も「介助係」として同席させていただいたのですが。
介助など全く必要のないほど、お元気で当時とお変わりないと言い切れるほどのお姿。
歩く姿も凛々しく、かくしゃくとされていらっしゃる。
大変な功績を築かれた方なのに、ご一緒していて全く圧がないのもお変わりなくて。
社会的立場も年齢も性別も全く関係なく、どなたにも大変フラットな目と心で接して下さる。
そして、ズバッと表現なさる一言はさすがの着眼点。
当日、会場にお車が到着し、車の扉が開いて私を見つけた瞬間の一言が
「はぁ~、あなたはかわらないねぇ。おっどろいた。」
さすが、フェミニストの牧内会長。とっさの一言もなんてお優しい!
あまりにもお変わりのない牧内会長に驚き、声が出てこず先を越されたのが悔しい(笑)。
ホテルの会場へと向かう途中、ご一緒しながら「お腹空きましたね。お腹が鳴ってます。」と私。
クスっと笑って「そりゃ、元気なことだー。僕はもうそんなにお腹空かないから。」と仰っていたはずですが。
出てきた鰻重が美味しかったのでしょう。ペロリと召し上がりました。
デザートにも美味しそうに「甘いもの好きなんだ。」と嬉しそうなご様子に、同席した全員から笑みがこぼれます。
30分のお散歩が日課で、今は時代小説を読んでいらっしゃるそう。
数年前まで「銀座一丁目新聞」というHPをお持ちで、毎日ブログを更新されていました。
90代でパソコンを使いこなして、毎日ブログを綴っていらしたことも驚愕です。
「ブログを出すということは、外に出て人と会って話をして、映画や芝居を見たり本を読んだりして自分の考えを常に持つこと。今は流石に疲れるからなぁ。」と仰っていました。
『記事は足で書く』をモットーとされていた元敏腕記者からの一言は説得力があります。
年齢のせいでご自身を制限せず、周りに振り回されることなく、わが道を飄々と。
「独断と偏見」略して「ドクヘン」と現役時代に言われていたそうです。
きっと、沢山の方との交流の中で培われたご自身の感性を大切にされていらした、ということでしょう。
「顔には人の相が出るからね。毎日鏡を見て良い顔になるように。」
笑いながら仰った一言は、また一つ私の宝になりました。
来年は100歳。百寿祝いでの再会をお約束。
久方ぶりにお目にかかれて、本当によかった。
やはり、人生の先輩から言わずと学ばせていただけることが沢山あります。
ところで、牧内会長が「年を取ってよかったことは、女性がみんな綺麗に見えることだな。」と一言。
どうりで私のことを変わりなく見えた?のは、そのせいだったかーー(笑)