月の夜☆ヴェネツィア室内合奏団~美しい音の余韻~

澄んだ空気に金木犀の香り。
思わず深呼吸をしながら、どこから漂ってくるのかとキョロキョロしてしまいます。
季節はちゃんと進んでいて、今年も大好きな時期を迎えられたありがたさを感じます。
芸術の秋ということで、お誘いをいただき久しぶりに生演奏を楽しんできました。
ヤマハホールで開催された『ヴェネツィア室内合奏団』の演奏会です。
ヴァイオリンとチェロの演奏者が順番にソリストを務めるスタイル。
ソリストのできる方ばかり、ということに驚き。
ちょっとアドリブまで感じられ、心から楽しんで演奏下さる姿が素敵でした。
皆様、全身で音楽を奏でるような表情豊かで、ダイナミックかつ繊細。
息遣いまでもが伝わるような臨場感に包まれました。
今回、ご用意下さったお席がH列の真ん中。ちょうど全体がよく見える位置。
ちょっと脱線しますが、歌舞伎で席の列を「いろはにほへとちりぬるを」と数えますね。
7・8・9列目が「とちり」と呼ばれ、「とちる」の語源はここからだとか。
この列からはよく見えるので、ちょっとした間違いも気づかれてしまうそうです。
イタリア人の彼らに全く関係ない話ですが(笑)
おかげで表情まではっきりとわかるお席でした。
個人的には、弓を使わずに弦を指ではじくピチカート奏法の美しさに感動!!
心を弾かれ、ふっと解き放たれたような感覚に包まれました。
幾重にも重なる弦楽器の音色の深さと豊かさに、すっぽり包まれていく。
心の体積が広がるような、満たされた時間でした。
ご一緒させていただいた皆様も素敵な方ばかり。
皆様、思い思いにドレスアップされていらして、そのお姿も目の保養。
装いは演奏者の方へのリスペクトの現れ、ですね。
美しい音楽を堪能し、そのような皆様と感動を共有できたことが記憶に残る一時になりました。
終了後のステージには演奏者の余韻。
アンコールに3曲も演奏して下さったことも感激。

会場を後にして「小腹を満たしましょう」と訪れた中国料理店では月餅のサービスが♡

心もお腹も満たされて――
中秋の名月の夜に、静かな幸福を感じながら帰路につきました。
YouTubeで彼らの演奏動画を見つけました。
プログラムを眺め、動画で演奏に聴き入り、あの夜の余韻に浸っている私です。