ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
ロンドン・ナショナルギャラリー展でゆっくり絵画を鑑賞しました。
いつも上野駅に降り立つと、原点に引き戻される気がします。
上京した頃、東北新幹線の発着駅は上野駅でしたから。
当時は、秋田から盛岡まで特急、そして盛岡駅から新幹線に乗り継いでいました。
新幹線は今や東京駅発着となり、赤いデザインの車両に様変わりしてチビッ子達に大人気。
学生時代、当時人気だったサンローランやディオールの口紅を買いにアメ横に来たなぁ…
(今なら、ネットでポチっと購入できますけれど)
せっかく手に入れた青みピンクの口紅は、びっくりするほど似合わなかった!!
などなど、思い出がよみがえる街です。
こう表現しつつ、まだ最近のことだと思いたいのに、ちょっと遠くなっていることに驚愕!
上京して、東京の文化性の高さを感じたのも上野でした。
美術館や博物館など文化施設が公園内に優雅に並び、そこに集う人々のうねりがあって。
好きな絵を見つけ、じっくり時間をかけて眺めることができる、田舎では味わえない贅沢があります。
今回の展覧会、事前予約が必須。
まだまだコロナ禍の影響を鑑みると、入場制限がされているのは当然の計らいでしょう。
WEB上の予約サイトから良いタイミングで予約できました。
どうしても見たい、行きたい!と思った時は、上手くいくものです。時間は作るもの、ですね。
今回の目玉はゴッホのひまわり。
きっと、ひまわりを目当てに出かけられた方も多くいらっしゃることでしょう。
あまりにも有名な絵ですが、改めて心奪われてしまいました。
正直なところ「ゴッホのひまわりが見られるんだなぁ。」くらいの軽い気持ちだったんです。
でも、発するエネルギーに吸い寄せられ、しばし見入ってしまいました。
ほぼ黄色のみで描かれていますが、一口に黄色と語るなかれ、です。
黄色の濃淡、強弱に一筆一筆の弾むようなタッチ。
画像で見るのとは違って、やはり本物を間近で観ることで感じるものがあります。
花瓶に挿してあるけれど、夏の光の下で見上げるひまわり以上の溌溂としたエネルギーを感じました。
ゴッホの花瓶に活けられたひまわりの絵は7枚あるそうですね。
その中でも、今回のロンドン・ナショナル・ギャラリー展のひまわりは、一番幸せに満ちた時期に描かれた絵だとか。
きっと絵画は描く人が変われば、その人の目を通した世界が広がり、その時の心情が自然と表れるものなのでしょう。
ふと、山種美術館の創始者の山崎種二氏が「絵は人柄」と仰っていた、ということを思い浮かべました。
絵は人柄…なんて素敵な表現でしょう!と思いませんか?
作品には力強さや優しさ、繊細さや儚さ…など画家の思い、つまりお人柄が溢れ、魅力的な世界観となる。
これが、多くの人の心を打つのでは?
今回、ひまわりから「希望」のエネルギーをたっぷりと受け取った気がします。
ゴッホの「魂」が黄色に込められていたのかな?と勝手に感じました。
もちろん、ひまわり以外にも心に残った絵が沢山あり、本当はもう一度会いに行きたいくらいです。
再会できる喜び、と言えば。
会場の国立西洋美術館の常設展は、美術品との再会が気軽に叶う場所ですね。
美術素人の私でも、気ままに楽しめる空間が広がっていて好きです。
しかも、一部を除き写真撮影可能!
クロード・モネ『睡蓮』
クロード・モネ『舟遊び』
松方コレクションと呼ばれる美術品たち。
美術品を買い付け、日本の美術、人々のために公共美術館をつくるというスケールの大きさ。
皆が喜ぶためにと尽力される方は、真の豊かさとは何か?を良くご存じなのでしょうね。
おかげさまで、今こうして東京にいながらヨーロッパの名作に気軽に会えるのですから、ありがたいです。
夕方に入場し、たっぷり鑑賞するとお腹が空きまして。
館内のカフェで軽く食事をしました。
確か「モネの庭園風クリームコロッケ」といったネーミングでした。
お味は良し!盛りつけは…モネ様がびっくりしているかもしれません(笑)