麺を啜る、のススメ
先日、数年ぶりに一蘭でラーメンを堪能しました。
今や、外国人にも大人気の一蘭さん。
午後の3時台だったので、並ばずスムーズに入店できてラッキーでした。
お席で食券を渡して、運ばれてきた1杯をズズズっ、と啜る。
口内に広がる味覚だけではなく、吸い込まれた空気が相まって広がる嗅覚、麺の硬さの触覚。
美味しい、が広がります。
思わず「うまっ」と言いたくなるほど(笑)美味しい。
本当にここ最近、訪日観光客の皆様が蕎麦やうどん、ラーメンなどを楽しむ姿によく遭遇します。
この日も、店内では様々な国の方々が思い思いにラーメンを堪能中でした。
食券を暖簾越しに渡して待っている間、「ズズズッ」という音が意外と少ないなぁ…。
会話の様子から日本人らしき方も当然いらっしゃるとわかりますが。
啜らずに食べている方も意外と多い!!と、ちょっとしたショックを受けました。
ところで、特に欧米では「啜る(すする)」という行為が食事マナーとしてタブーとされています。
アジア圏でも、食文化に麺類があったとしても啜ることはしません。
ですから、麺を音を立てて啜る日本人の姿に、外国の方はびっくりされることでしょう。
それに、スープに麺とチャーシューに玉子と1皿で完結しているのも特殊かもしれません。
一品ずつ食べ進める文化の方にとっては、スープを飲みながら麺を食べて、チャーシューを食べて…
このような食べ方は違和感を覚えるでしょうね。
でも、その違いも含めて日本を楽しもうとして下さっている方も多いようです。
「ヌードルハラスメント」という言葉が、いつの頃からか生まれました。
ハラスメント…って嫌がらせ、ですよね?
最初、目にした時に「麺を啜ることが嫌がらせなの?」と単純に驚いてしまったのです。
確かに国によっては、麺を音を立てて食べる、ということはマナーとして相応しくないこと。
でも、日本独自の麺文化は、啜るという唯一無二の食べ方があってこその文化。
冒頭にお話した通り、啜ることで完成し感じる美味しさがあるのですから。
「欧米の習慣が世界のスタンダードだから、啜るのは変。」と目にしたこともあります。
色々な見解があるでしょうけれど「世界は広いな、大きいな」です。
様々な国があって、長い歴史の上で形成されたそれぞれの文化が根付いています。
欧米に全て倣わないとダメなのでしょうか?それこそ「多様性」に反しているのでは…?
日本の麺文化は、日本の誇るべき食文化ですもの。
堂々と啜って楽しんで良いのではないでしょうか。
麺を食べる時に、決して「啜らないとダメ」と断罪しているのではありません。
啜れない方もいれば、啜ることをタブーとされている国の方にとっては難しいことでしょうから。
そこを強要するのは、愛の無いこと。
興味を持って楽しんで下さっている姿に喜び、まずは感謝です。
私は、ラーメンやうどん、特にお蕎麦はしっかり啜って美味しくいただいています♡
麺類を啜る前には「ちょっと粋に」と、髪の毛を一つにまとめ「いざ啜るぞ!」なのです。