「お茶のおもてなし」に必要な、ちょっとした心がけ

飲み物でお客様をおもてなしする。
個人宅はもちろん、企業でも日々されている当たり前の光景です。

その時に、せっかくの緑茶やコーヒー等の飲み物の美味しさを半減させてしまうような
セッティングや出し方に出会って、思わず苦笑い、ということがあります。
例えば、湯呑と茶托で差し出されたとき、茶托の木目に気遣いがなかったり、
湯呑の絵柄があっち向いてほい、になっていたり。
お茶が湯呑になみなみと注がれて、持ち上げるのにも気を使うほどの量だったり…
以前、訪問先に3名で伺うと、出された緑茶の濃さが均一ではなく、待っている間に
思わず3人で目配せをしてしまったことも。

最近は、緑茶を淹れる機会が減っているようですね。
コンビニでペットボトルの緑茶を買えばすぐに飲めますし、会社でも給茶機にカップを
差し出せば注がれます。
便利なことはありがたいですし、とても研究されていて美味しくいただけるのも
本当に嬉しいことです。

でも、便利さだけに頼り切ってしまうのは、感性が失われる気がします。
字を書く機会がめっきり減り、時折、字を書くとあまりの下手さ加減に嫌になります。
(下手な字の自分をつい忘れ、こんなに下手だった?と居直ってしまう自分もいます…)
こういった事と一緒で、たまには自分で淹れてみるのは良いことではありませんか?

ほんの少しだけ時間をとって丁寧に淹れてみる。
茶葉によって、お湯の温度が美味しさに大きく影響しますね。
玉露はお湯の温度が低いとトロリとした甘味が出てきますし。
そんなちょっとしたことに喜びを見出し、面白がってみる。
そうすると、自分なりの工夫や創意が出てくるのではないでしょうか。
そして、自分だけではなく人様にもその喜びを感じていただきたいと思うのでは?
これが「おもてなし」に繋がるのではないでしょうか。

たかがお茶、されどお茶。
淹れる人の心が、1杯のお茶に映し出されます。
緑茶だけではなく、コーヒーも紅茶ももちろん、その場を和ませ喉を潤し、
一瞬の間を繋ぐ最高の1杯にするためには、淹れ方はもちろんのこと、
お出しする際の心遣いが必要ですね。

ちなみに。
茶托の木目ですが、お客様には横になるように差し出しましょう。
縦にしてしまうと、もし両端を持ったとして割れやすいですから。
こうして相手の方への心遣いが込めれれています。
ちょっとした作法には優しさが凝縮していますね。

最後に。
お茶を注ぐ際には、茶托から降ろしたほうが良いです!
こぼれてしまう可能性もありますから。写真のようにしないで下さいね(苦笑)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA